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詰将棋解析6:若島正作(詰将棋解答選手権2008年チャンピオン戦)
一ヶ月以上経過して上に広告が出てしまいました…

とりあえず無事に、穏やかな冬休みを過ごせています。

若島正作、37手詰



2008年の詰将棋解答選手権のチャンピオン戦に出題され、正解者ゼロの作品。

1.角合によって馬筋を遮断して打歩詰を誘致する
・まず初手から
【83歩成、94玉】

【85銀、95玉、97飛、同馬、96歩、同馬、84銀、94玉】
95歩と打てれば簡単ですが、あいにく持駒なし。


44に落ちていると金を拾えば簡単そう。2つ上の局面から
44飛と、と金を取りつつ王手をかけてみます。すると、今度は64角合。

以下同様に進めると
【85銀、95玉、97飛、同角不成】


この打歩詰が解消できない。

これが、第1テーマ:「馬筋を遮断して角合し、その角を不成とすることで打歩詰を誘致する」(詰将棋メモより引用)
に相当するもののようです。
※ただ、解いていない立場から言うのも失礼かもしれませんが、私にはこのときの64角合は自然な応手に映りました。

上図で、44の駒が飛でなく龍であれば84龍までの1手詰なので、角合による打歩詰誘致にも負けない気がします。
つまり、44のと金を龍で取るために一旦33飛成としておけばいいのではないか…
もちろん同馬であれば、83歩成以下97飛と回って簡単に詰みます。

そこで、初手から
【33飛成】

1.
これに対して43歩合は83歩成、94玉、44龍、以下似たような局面となり、
「攻め方が一歩多く持っている」+「44の駒が龍」なので詰みます。
すなわち
【43歩合、83歩成、94玉、44龍】で、


・もし【同歩】なら
【85銀、95玉、97飛、同馬、96歩、同馬、84銀、94玉、95歩、同馬、93銀成まで】


・もし【64角合】なら
【85銀、95玉、97飛、同角成、84龍まで】


※ちなみに43歩合の代わりに香合ができれば逆王手がかかって逃れそうですが、あっさり同龍と切って
取った香を96で使うことができるので詰みます。

2.
73歩合は83歩成、94玉、44龍以下馬筋が97まで効いていて、やはり詰み。

3.
53角合は同龍、同馬、83歩成以下、角を持っているので簡単。

4.
ここまで来てようやく43と、の移動中合がでてきます。初手から
【33飛成、43と、同龍、53角合】
44とが消えていれば、53角合を取ることができません。


同龍は同馬で、逆王手がかかるからです。
この局面から角を取らずに【83歩成、94玉、54龍】と進行させてみると、今度は【74歩合】と受けられます。


以下同様に
【85銀、95玉、97飛、同角不成】と進めると、74歩合のせいで龍が84へ効いていないために不詰。


これらの各不詰局面の中から、次のページへ行くための手段を見つけることが相当に難しかったと予想されます。


(再掲初形)

初手から
【33飛成、43と、同龍、53角、83歩成、94玉】


【84と、同玉、87飛、95玉、85飛、94玉】

この作品は前半、後半のどちらから作ったのでしょうか。
つなぎの部分と考えられるこの6手の成立に、唖然。

※ちなみに87飛に対して合駒が効きそうですが、角が動くと43龍の筋が
通ってきますので、簡単に詰みます。

2.角の移動合で逃れようとする~収束

ここから、龍の活用を図りつつ攻めていきます。
【54龍、64歩合、95銀、93玉、63龍、73歩合、84銀、94玉、83銀不成、93玉、94歩、同桂、92銀成、同玉、72龍】


角のラインをすり抜けます。以下は高い合駒は簡単に詰み、香合なども94桂の質駒があるので83龍行、91玉、94龍以下。

一気に進めましたが、途中84銀に対して92玉は95飛、94合(歩は二歩なのでそれ以外)、同龍、同桂、72龍以下詰みます。
他の手もいくつかありますが、どれも簡単に詰んでしまいます。他に受け手は?





…ここでひらめいたでしょうか。角を移動合させると同じように追っても逃れているということに…





同じように85飛、94玉の局面から

(再掲)
【54龍、64角、95銀、93玉、63龍、73角、84銀、94玉、83銀不成、93玉、94歩、同桂、92銀成、同玉、72龍、82角

以下、
【83飛成、91玉、94龍、93香合、同龍、同角


なんと、序盤から忘れ去られていた48の王に逆王手がかかっています。こんな仕掛けは他の作品で見たことがない。

これが若島先生の織り込んだ第2テーマ:「盤面A地点にある駒Xを移動してB地点に合駒しようとするとき、 そのA→Bの経路の途中の地点Cにも合駒が必要なら、XはA→C→Bと移動合の連続で動くことになる(つまり、Cに他の合駒をすると、その合駒が邪魔をして、XがAからBに移動できない)」(詰将棋メモより引用)
つまり、93に角を持ってくるために途中の全ての合駒(64、73、82)を角の移動合にする意味付けです。

仕方ないので攻め方をどこかでかえるしかなさそうです。
73角、63龍型から収束に入ります。


先ほどの紛れの途中図(63龍、73角と指した局面)より
【同龍、同桂、84銀、92玉、95飛、94桂打合】


※ここで94香合は74角、91玉、94飛、同桂、92歩、82玉、83銀成、71玉、72香、62玉、63角成まで2手短い。
逆に、95飛よりも先に83角を決めてしまうと、飛車の王手に香合されて詰まなくなります。
以下は92に歩を打って51にいた金を清算して詰み。

最初から作意をまとめて並べておきます。

【再掲初形】

【33飛成、43と、同龍、53角、83歩成、94玉】

【84と、同玉、87飛、95玉、85飛、94玉】

【54龍、64角、95銀、93玉、63龍、73角】

【同龍、同桂、84銀、92玉、95飛、94桂打合】

【83角、91玉、94飛、同桂、92歩、82玉、74桂、71玉、61銀成、同金、同角成、同玉、62金】
まで37手詰。


3.筆者の感想

変化紛れは少ないものの、読む部分は全て主題に関わっている。

角の移動合いから逆王手のテーマ部分は、攻め方の龍が2枚あって危険な紛れが多い。
舞台を移さずに作るのは相当ぎりぎりだったと予想されます。
双玉は香のラインを利用する序盤だけでなく、角の移動合いにも一役買っていて、非常に魅力を感じます。

筆者が気になったのは、意味づけが異なるものの、53角~64角の移動は前半、後半どちらでも
出てくるという点。実際に解いていないので判断できないのですが、
前半戦の96地点の打歩絡みの攻防を読みきった後に54龍と指してみると、
64角の移動合は自然に予想できてしまうかもしれません。
ただ、見方を変えれば、異なる2つのテーマを1つの駒の動きで統一させ、
作品全体をまとめているとも解釈できます。

看寿賞の選考に当然残っていた本作ですが、「独創性はあるが、完成度として他の作品の方が上(意訳)」と
いう選考委員の評があったのには驚きました。
正算で作ったような駒取りの収束や76成桂配置のことを指しているのかもしれませんが、
やりたいことを最小限に切り詰めた結果がこの配置なのでしょう。
難解さが欠けていても、やりたいことを表現できている本作は、文句のつけようがないと思うのですが。
特に、つなぎの6手の部分を自然に成立させているところはとても真似できません。

惜しむべくは、本作はリアルタイムでの出題時に誰にも解かれなかったということ。
作者も望んでいた結果ではないのでは。作品がかわいそうに思えてきます。
本作の認知度がどのくらいかわからないのですが,知らない方がいたらもったいないことだと思い、
紹介させていただきました。

4.おわりに
この作品についてはご本人が詳細な記事をブログで書かれていた記憶があるのですが、
いつしかブログが消えてしまっていました。

本作の解説が載っているのは「詰将棋解答選手権2004-2008」のみかと思うのですが、
私はこの本を持っていませんので、以前サイトやパラの本誌で解答を読んだときの記憶しか残っていません。

書いてから気づきましたが、本人がブログを削除されたのは、作品集の価値を高めるためだったのかもしれません。
もしそのような事情があった場合は、本記事は速やかに削除させていただきますので、
連絡をいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。

参照:詰将棋メモ「平成20年度看寿賞」
http://toybox.tea-nifty.com/memo/2008/07/post_b7ab.html
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[2013/12/23 15:44] | 詰将棋鑑賞 | トラックバック(0) | コメント(3)
詰将棋懐石メモ~h160seの倉庫~


※あまりにも陳腐な名称なので漢字を少しかえてみました。懐石料理のようにじっくりと詰将棋を味わう意味も込めて。

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shogisolving160

Author:shogisolving160
詰将棋の自作置き場、及び人の作品の覚書。人に見せるというよりも、自分の頭を整理する意味が強いので、その辺お許しください。あ、リンクフリーです。

※図面を勝手に掲載された!という作者の方へ
勝手に図面を掲載してしまい、不快な思いをされた場合はお詫び申し上げます。連絡いただいた場合は速やかに記事を削除させていただきますので、どうぞご連絡ください。

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