自作倉庫8:13手詰
うっかり今月は3つも記事を投稿してしまうことに。
忙しさとやる気によって大きく左右されるので、定期更新が難しい状況です。

※前回の馬賊戦記の解説ですが、般若一族の本がずっと日本に置きっぱなしなので、
そのうち加筆しようと考えています。少々お待ちを。

さて、次のような詰将棋を作ったのですが、高校にはちょっと投稿できず、ヤン詰の解付きに出すか
どうしようかと悩んだ挙句、ここにあげておくことにしました。

150814_13手詰

既成手順なので、類似作が山ほどあると思います。
基本手筋なのですが、初手がこの形で成立しているのがうれしいな、と。

そのうち、コメント欄に答えをあげておきます。

[2015/08/29 07:43] | 詰将棋鑑賞 | Trackbacks(0) | Comments(2)
詰将棋懐石11:黒龍江氏作「馬賊戦記」 (詰将棋パラダイス1996年1月号_修正図)
般若一族作品の解析第3弾。
今回は馬ノコが狂うほど出てくる「馬賊戦記」です。

般若一族のページで、首孟夫さんが書いた解説があるのですが、
何度読んでも、私の理解が追いつかず。
自分なりに解釈して、少し詳しめに書いてみました。

手順に沿って解説すると変化と紛れがわからなくなるので、
途中脱線の多い解説になっています。(====でところどころ区切ってあります)
わかりにくいと思いますので、作意手順は最後にまとめて載せています。

(初形)


1.2枚の馬を引き寄せる

初形から25成香とすると収束手順を試すことができるのですが、
【25成香、37玉、38歩】…図1


47玉なら58銀以下詰みなのですが、あいにく46玉として不詰。
ここ、もし63角が馬なら64馬以下。収束手順はこの61・63馬型でのみ
成立します。

63角を馬にかえる必要があるようです。
そのためには、いったん成ってもう一度遠ざければよい。そこで、初手から
【36成香、27玉、46成香、26玉、36角成、17玉】…図2


しかし、この36馬・46成香型では36馬を自由に動かすことはできません。
上図から35馬としても、26桂合でまったく詰まないからです。
どうやら、もう一枚の馬も近づけて、少し組み替える必要があるようです。

【62馬、16玉、52馬、17玉、53馬、16玉、43馬、17玉、44馬、16玉、
34馬、17玉、35馬引、16玉】…図3


36馬型での利点は、もう一枚の馬を簡単に鋸引きさせることができること。
26金合の変化も、(ここでは省略しますが)割り切れています。
(詳細は般若一族のページをご覧ください)

2. 45馬型を得る

次に、45馬型で新たな馬ノコを得ることができる、ということに気付くのが
かなり難しいのではないかと感じました。

【25馬上、27玉、45馬、17玉、35馬右、16玉、34馬左、27玉、45馬寄、26玉】…図4


36馬・17玉型では18歩が打歩詰になりますが、馬を一つ遠ざけると18歩以下詰みます。
そこで、玉方はこれを避けて、17玉ではなく26玉と逃げます。

【44馬寄、25玉】…図5


上と同様に、35馬・16玉型では17歩が打歩詰になりますが、これも馬を一つ遠ざけると
17歩が打てるようになります。そこで、玉方もこれを避けて16玉ではなく25玉と逃げます
(16玉と逃げると17歩、25玉、36馬、24玉、35成香以下)。
このあたりの綾が非常にややこしい。

この局面で36馬とするのは16玉で打歩詰なので、
【35成香】と追うのが正しい手順になります。…図6


これに対して【14玉】と逃げるのは、
【36馬、13玉、22馬】まで簡単に詰みます。…図7


そこで、図6に戻って、35成香には16玉と逃げます。
【16玉、43馬、26玉、36成香、27玉、46成香、26玉、53馬、16玉】…図8


====以下補足====

ここで16玉にかえて25玉と逃げるのは、
【35成香、16玉、52馬、26玉、36成香、27玉、46成香】
で、2手短縮します(恐ろしい罠…)。
手順中の35成香に対して14玉と逃げるのは
【36馬、13玉、14歩、23玉、22と、同玉、31馬】…図9
以下詰。41と配置が利いています。


また、図8の16玉の局面から【17歩】と打つと簡単に詰みそうですが、
【25玉、35成香、14玉、36馬、13玉】で14歩と追えずに不詰。…図10


つまり、53馬型では、16玉型に対して17歩から35成香と追っても届きません。

35成香に対してはこのように、14玉と逃げられる変化が常に付きまといますが、
図7と図9でみたように、この変化が詰むのは
馬が44か53にいるときのみで、ほかの場所では詰みません。

例えば図8から
【34馬、27玉、63馬、26玉、35馬、16玉、52馬、27玉、45馬、26玉、62馬】とすると【25玉】…図11



この局面から【35成香】と追っても【14玉、36馬、13玉、14歩、23玉】で
捕まらなくなります。この逃れ順によって、45馬型では、
もう一方の馬を62~61へ運ぶことができないのです
(多分、首さんの解説では触れられていなかったと思います)。

====補足終了====

そこで、16玉と逃げた図8から、新たな攻め方を考えないといけません。

3. 47成香型を得る

再掲:図8


【34馬、27玉、63馬、26玉】…図12


====以下補足====

図12から【35馬、16玉、52馬、27玉、45馬、26玉、44馬】…図13
がきわどそうです。


以下
【37玉、47成香、27玉、54馬、26玉、36成香、27玉、46成香、26玉、53馬行、37玉、
47成香、27玉、63馬寄、26玉】
と進むと(実はこれは作意でも最後に出てくる馬ノコです)…図14


さらに、
【36成香、27玉、35成香、26玉、25成香、37玉、38歩、47玉、58銀、同玉】と進みますが、
作意と違って馬が52にいるために、【85馬、67銀成】で、馬を36に引くことができずに逃れます
(作意では馬が52ではなく61なので、85馬にかえて94馬とすることが可能)。

また、14図から
【62馬行】と進めるのは、【37玉、47成香、同玉】…図15 とされて


以下、【58銀、同玉】で、62馬が活用できないために詰みません。
つまり、ここまでに出てきた馬ノコを合わせるだけでは、2枚の馬を適切な場所に配置することができないのです。

ここで、首さんの解説を引用してみましょう。
47成香に対して、玉がこれを取れるのは、44や53に馬がいるときはだめで、73歩の影に入った62馬の時だけ。
逆に言えば、62馬の瞬間に47成香を同玉ととられ、詰まない


====補足終了====

再掲:図12


【35馬、16玉、52馬、27玉、45馬、26玉、44馬、37玉、47成香】…図16


====以下補足====

これを【同玉】ととるのは、以下
【58銀、同玉、48金、67玉、85馬、76歩合、59桂、68玉、77銀、同歩成、58金】…図17
まで。44馬がうまく77まで利いています。


この手順は44馬が53馬でも成立する手順(手順中、77銀に代えて86馬)ですが、
62馬の時は成立しません(上記の図13~図15の紛れを参照)。

====補足終了====

回り道をしてしまいましたが、図16の作意に戻ります。
再掲:図16


ここから作意は【27玉】と逃げます。ようやく47成香型が実現しました。
【45馬(54馬でも可)、26玉、36馬、17玉】…図18


図2から4手進めた途中図(52馬、17玉の局面)と比較すると、
なんと変わった場所は46成香→47成香のみ!これだけのために延々50手かけたのです。

さて、ここからもまだ長い道のりです。

4. 34馬型を作り、新たな45-72ラインの馬ノコを得る

47成香型を得たら再び、馬を近づけて34馬型を作る必要があります。
これは、次に72まで新たな馬ノコのラインを確保するためです。
はじめの手順と同様に、いったん遠ざけた52馬を再び35までひきつけ、
25に利きを作る必要があります。

再掲:図18


【53馬、16玉、43馬、17玉、44馬、16玉、34馬、17玉、35馬引、16玉】…図19


【25馬上、27玉、45馬、17玉、35馬右、16玉、34馬左、27玉、45馬寄、26玉】…図20


図18~20が、図2~4と対応していることをご確認ください。
図20では、はじめの46成香型ではできなかった新たな馬ノコが可能になっています。

【44馬上、27玉】…図21


46成香型のときは、ここで37玉と逃げられて詰みませんでしたが、47成香型になったことで、37が封鎖されているのです。
この(34馬・47成香)型では、45-72ラインをもう片方の馬が自由に行き来することができます。

【54馬、26玉、53馬、27玉、63馬、26玉、62馬、27玉、72馬、26玉】…図22


無事、72まで馬を運ぶことができましたので、ここからラインを繰り替えて61馬型にします。
47成香型は46成香型に変換しておかないと、35馬型を作ることはできません。

【36成香、27玉、46成香、26玉、35馬、16玉】…図23


【61馬、27玉、45馬、26玉】…図24


これで、61に馬を据えることができたので、47成香を同玉ととられる心配がなくなりました。
また、61馬型なので25玉と逃げられる厄介な変化もありません。
馬を63に遠ざけるための、最後の鋸引きが出てきます。

5. 63馬型に戻す

成香をやりくりしながら、2つ目の馬を遠ざけていきます。

再掲:図24


【44馬、37玉、47成香、27玉、54馬、26玉、36成香、27玉、46成香、26玉、
53馬、37玉、47成香、27玉、63馬、26玉、36成香、27玉、35成香、26玉】…図25



この局面と初形を比較すると、見事に63角が63馬に裏返っただけになっています。
ここまでかかるのに122手!

====以下補足====

※ここで、「馬賊戦記」唯一のキズ(?)が存在するようです。
上図【26玉】に代えて【54歩合】とする手があるのです。…図26


これは【同馬、26玉、36成香、27玉、46成香、26玉、53馬、37玉、47成香、27玉、63馬、
26玉、36成香、27玉、35成香】…図27
と進み、元の局面に還元します。


16手かけて元の局面に戻るので、無駄合とみなしてもよいのですが、
現代ルールではなるべく避けたいと言われている類の変化です。

さらに、2歩持ったこの局面では、ちょっと長いですが
【46成香、26玉、36馬、17玉、62馬、16玉、52馬、17玉、53馬、16玉、43馬、17玉、
44馬、16玉、34馬、17玉、35馬引、16玉、25馬上、27玉、45馬、17玉、35馬右、16玉、
34馬左、27玉、45馬寄、26玉、44馬行、37玉、38歩、27玉、45馬右、16玉、17歩、25玉、
36馬、24玉、35成香、23玉、22馬】
までの別詰も発生しています(作意手順よりもずっと長い)。

5筋に歩を配置することができればいいのですが、どうも盤面はいっぱいみたいです。

====補足終了====

本筋に戻ります。63馬に26玉と逃げた局面から。
再掲:図25


ここまでくれば、最初に確認した収束手順をたどってみるだけ。
38歩に46玉の変化は、63馬のおかげで詰むようになっています。
図25から
【25成香、37玉、38歩、47玉、58銀、同玉、94馬、67金】…図28


なぜこの形に戻さなければいけないかは、首さんの解説で言い尽くされています。以下引用。

玉から遠い馬を使って最初の合駒を問うのだが、そのときに36に引ける馬を残して
おかなければ、(94馬に対して)67銀成が詰まない


すなわち、図28で67金合にかえて【67銀成】は、【48金、68玉、58金、同玉、36馬】以下。…図29


変化で36馬と引く余地を残しつつ、左側から王手をかけることができるのは、
61馬・63馬型のみ、ということですね。作意では63の馬は36ではなく85に引き、以下は収束手順です。

5. 手順のまとめ

作意をまとめて並べてみます。
(動く将棋盤で鑑賞したいという方は般若一族のページから鑑賞できます)。

初形

【36成香、27玉、46成香、26玉、36角成、17玉】


【62馬、16玉、52馬、17玉、53馬、16玉、43馬、17玉、44馬、16玉、34馬、17玉、35馬引、16玉】


【25馬上、27玉、45馬、17玉、35馬右、16玉、34馬左、27玉、45馬寄、26玉、44馬寄、25玉、
35成香、16玉、43馬、26玉、36成香、27玉、46成香、26玉、53馬、16玉、34馬、27玉、63馬、26玉】


【35馬、16玉、52馬、27玉、45馬、26玉、44馬、37玉、47成香、27玉、45馬、26玉、36馬、17玉】


【53馬、16玉、43馬、17玉、44馬、16玉、34馬、17玉、35馬引、16玉】


【25馬上、27玉、45馬、17玉、35馬右、16玉、34馬左、27玉、45馬寄、26玉】


【44馬上、27玉、54馬、26玉、53馬、27玉、63馬、26玉、62馬、27玉、72馬、26玉、
36成香、27玉、46成香、26玉、35馬、16玉】


【61馬、27玉、45馬、26玉、44馬、37玉、47成香、27玉、54馬、26玉、36成香、27玉、
46成香、26玉、53馬、37玉、47成香、27玉、63馬、26玉、36成香、27玉、35成香、26玉】


【25成香、37玉、38歩、47玉、58銀、同玉、94馬、67金】


【48金、68玉、67馬、同玉、85馬、76角、77金、68玉、58金、同角成、78金、同玉、
79銀、87玉、88歩、同金、同銀、同玉、89金、87玉、79桂】まで151手詰。



収束手順に入るためには63角ではなく馬である必要があり、
また、適切な場所に角を引くために61馬・63馬型を作らないといけない。

63馬型を得るためには46成香~47成香~36成香の往復運動を含む
馬ノコを行わなければいけないが、この、(図24から図25に至るまでの)
鋸引きは、36馬型・17玉型からでは成立せず、45馬・26玉型を作る必要がある。
また、47成香を同玉ととられる変化で、馬を引く必要があるため、
61馬型を作っておくことが必要。

しかし、直接、43-53-52-62-61のラインで馬を運んでも収束に入ることができない。
なぜなら、このラインを確保して、かつもう一方の馬を動かすためには
36馬型ではなく45馬型でなければいけないが、
45馬型では常に25玉~14玉と逃げられる順があり、
この変化が詰むのは馬が44か53にいるときのみだからである。

そこで、61馬型をつくるために、47成香・34馬型から36-72ラインの馬ノコで遠ざかり、
繰り替えて72-61馬と移動させる。
47成香型にする理由は、馬ノコの途中で37玉と逃げられないようにするため。

47成香型を得るために、47成香に同玉の変化に備える。
馬を85に引けるようにする必要があるので、一度馬を52へもっていく。

52へ馬を持っていくためには45馬型で馬ノコを行う必要がある。
片方の馬を45-34に配置したまま、もう片方の馬を43-53-63-52と離していく。

43-61ラインの馬ノコで遠ざかるように見えて、実は62馬時点での変化が詰まないので、
いったんラインを繰り替えて72から攻めないといけないという素晴らしい仕掛け。
それを看破しないと見えてこない、47成香型への変換と、それに伴う変化。
繰り替えるために毎回、馬を近づけたり遠ざけたりしないといけない
もどかしさ。
出てくる馬ノコは5種類ですが、16玉型と25玉型、46成香型と47成香型の差異などを
かけ合わせると、とんでもないパターンの馬ノコを読まされることになります。
究極の作品ではないでしょうか。

6. 筆者の感想

今井光作品よりも理解が難しい作品でした。

修正図は収束が精いっぱいだった、と首さんのページには書いてありますが、
収束があるだけでもすごいこと(余談ですが、不動の11飛と99飛に茶目っ気を感じるのは
私だけでしょうか)。修正図は出題時余詰だったそうで、完全作として世の中に
出回っていたらどのような評価を受けたのだろう、と思うと、なんとも惜しまれます。
今回解析したのは修正図ですが、原図では作意や変化の割り切り方がだいぶ違うみたいで、いつか鑑賞してみたいです。

「馬賊戦記」はどうやら、有名な小説の題名からとったようです。
私は薄学で読んだことがないのですが、あらすじを調べてみると
・戦争後の混沌とした世の中
・中国大陸で「馬賊」として活躍した日本人の一代記
・抗日闘争と日本人としてのアイデンティティの葛藤
などがヒットします。
2枚の馬が踊る様子をこの小説の題名と掛け合わせたのか、あるいは、
孤独な日本人として果敢に生きる主人公を、馬との闘争を重ねる玉と重ね合わせたのか。

般若一族の作品は見ていると勉強になります。
棋力がさほどない私でも、論理を紐解けばわかる…という点は、
コンピューターでも解けない難解作(裸玉とか)とは全く異なる作品群。

園狸の虎や馬賊戦記、今井光作品は、コンピューターで解かせると
いともあっさりと答えを出してくる。「こんなの簡単ですよ」と言わんばかり。
それをパズルとして、悩んで味わうことのできる人間のほうが、
コンピューターよりも幸せな頭を持っているのかもしれません。

園狸の虎は、拡張した無駄合の概念に全面的に頼っている部分があり、どうも解説しづらい。
逆に馬賊戦記は、非限定やキズが限界まで少なくなっている。
私が見つけたのは、図15から図18に至るまでの54馬/45馬のキズと、図25の54歩合のみ。
しかし、これだけの複雑な馬ノコでなぜ迂回手順がないのか、私には不思議でなりません
(少なくとも私は見つけていないのですが、どなたか見つけたら教えてください)。

コメンテーターとして、馬ノコに詳しい馬屋原さんあたりに
登場していただけるととてもうれしいのですが。

ではでは。国外からの論考でした。

7. 参考文献
じっくり見させていただきました。御礼申し上げます。
・「般若一族全作品」
・「般若一族の叛乱」ページ(URL:http://hyudo.shiteyattari.com/problem/bazoku/bazoku.html)
[2015/08/11 13:32] | 詰将棋鑑賞 | Trackbacks(0) | Comments(5)
自作倉庫7:龍の往復運動
3ヶ月も放置してしまったようで、お久しぶりです。引き続き、海外での調査中です。
全国大会にも参加したかったのですが、今年は残念ながら見送りました。

多忙につき、重い記事はしばらくお休みです。

今日は自作紹介…というか、作品にもならないレベルの素材なのですが。
せっかくなので15秒ほど考えてみてください。一本道なので、すぐに解けると思います(答えは数行下です)。
150801_19手










作意手順:
48桂、同飛生、27龍、35玉、47桂、同飛生、24龍、36玉、37歩、同飛成、
48桂、同龍、27龍、35玉、47桂、同龍、36歩、同龍、24龍まで21手詰。

ヤン詰の解付きに出そうかとも考えたものの、結局blogと言う結論に。
実はこの作品は、期発表の自作(下図)をいじっていて得たものです。

自作(2014年6月創棋会作品展)
14-06創棋会(28)
27龍、46玉、19角、28歩合、同角、35玉、47桂、同飛生、24龍、36玉、
48桂、同飛成、27龍、35玉、47桂、同龍、36歩、同龍、24龍、同玉、
46角まで21手詰。

少しわき道にそれますが、この作品の両王手の形は一度作ってみたかった
のです。憧れていた作品はこちら。(高橋農園「看寿賞に選ばれなかった傑作」コーナーより)

橋本樹氏作(1978年6月号詰将棋パラダイス)

46馬、44玉、56馬、35玉、57馬!、26玉、48馬、35玉、44龍!、同玉、26馬まで11手詰。

本題の龍の往復に戻って、EOGさんのブログで私の作品とよく似ているよ、
と指摘を受けたのが下図。
谷岡里覧氏作(21手詰、詰将棋パラダイス1998年8月号)

15龍、27玉、45角、36歩合、同角、同飛生、18龍、26玉、38桂、同飛生、
15龍、27玉、39桂、同飛成(ここを同飛生は28歩、同玉、18龍)、
18龍、26玉、38桂、同龍、27歩、同龍、15龍まで21手詰。

これをこってりさせるとこんな図面。
平井康雄氏作(1993年7月創棋会作品展)



これは、創棋会作品展の自作図面を見せたときに、金子さんから教えてもらいました。
序の駒取りが目立ちますが、よくできています。
37銀、同飛生、47角、同飛生、48桂、同飛生、27龍、35玉、47桂、同飛生、
24龍、36玉、37歩、同飛成、48桂、同龍、27龍、35玉、47桂、同龍、
36歩、同龍、24龍まで23手詰。

つらつらと思いつくままに図面をあげてみましたが、
素材は一緒でも、味付けが異なる作品の例として示せるかと思います。

どれが優れているとかは優越つけがたいですが、個人的には、
素材だけでできている(駒取りのない一番最初の自作がお気に入りだったり。
こういう作品は本誌では全く評価されないもので、どこかでまとめてフリー素材として
置いておけるといいのですが…。

ではでは、このくらいにしておきます。
[2015/08/01 20:56] | 自作倉庫 | Trackbacks(0) | Comments(2)
私が詰将棋にのめりこんだきっかけ
とても久しぶり(およそ半年ぶり)の更新です。相変わらず海外から更新しています。
突然ですが今日は自分語りの時間に入ります。

将棋を覚えて始めたのは小学校1,2年の時だったような気がします。
誕生日プレゼントか何かでもらった「《1・3・5手》こども詰将棋入門 詰めの手筋がばっちりわかる!(中原誠監修)」を
ずっと読み続けていました。
当時はルール覚えたてで、3手詰どころか1手詰もままならず、全く解かずに答えを丸暗記していた
(というか、駒の動きを追うのがやっとだった)記憶があります。

最初にすごいな、と思ったのはこの作品でしょうか。今でも記憶に残っています。

(古典)
古典_5手詰

23銀打、13玉、12銀成!、同玉、23金まで5手詰。

筋の悪そうな23銀が初手、12銀成に24玉は25金で詰むという、銀の足の長さ。
詰将棋って面白い、と感じた瞬間でした。

小学校6年の時に当時の近代将棋が主催していた「すくすく王将杯」なるものに参加したことも覚えています。
参加賞で近代将棋のバックナンバーをもらったのですが、詰将棋を作るという人がいること、
それを発表する場があることをこのときに初めて知りました。
このころは指将棋の方に夢中で、詰将棋は終盤の棋力アップのために解くものだと思っていましたので、
載っていた複雑な作品にはそれほど感動せず(!)「こんな世界もあるんだなあ」ということを認知するのみでした。

それ以降はエセ詰将棋(詰むだけの将棋)はいくつか作っていたのですが、人に少し見せる程度のもので、
入選級には程遠い。もともと面倒臭がり屋なので、変化を読まなくていいような一桁ものばかり。ほとんど余詰。

時は経って中学2年の時。怪我で入院中あまりにもやることがなく、
買ってもらった将棋世界をずっと読んでいた時に転機は訪れました。

妻木貴雄氏作(将棋世界2003年11月)
妻木貴雄(サロン2003_11)

38金、同玉、48飛、27玉、49馬、36玉、37香、25玉、16馬!、同と、45飛!、同角、17桂!、同と、26金まで15手詰。

こんな世界があったなんて!衝撃を受けて何度病床のマグネット将棋盤で並べ直したことでしょう。この年の佳作に選ばれているようです。
無駄な駒が一切ない。全ての駒が主役に近い働きをしているのです。それまで見てきた作品とは雲泥の差でした。

この作品に非常に感動し、自分も何か作りたいと詰将棋に没頭。
いじっているうちに偶然作れてしまった作品が、私の初入選作となりました。
こんなところに載せるほどよくできた作品ではないのですが。

自作(将棋世界2004年5月)
自作(将棋世界15手)

35角、24桂合、23金、14玉、24金、15玉、27桂、同歩不成、25金、16玉、15金、同玉、16歩、14玉、26桂まで15手詰。

浦野先生から直筆でお手紙をいただいたときに飛び上がって喜んだのを覚えています(11香を当時配置して
投稿していたのですが、不要駒ではないかという指摘をいただいただけだった)。

このときには全く気付かなかったのですが、周りの、他7人の作者の豪華なこと。
上田吉一、若島正、小林敏樹、斎藤夏雄氏らと一緒の号で入選させてもらえるなんて、何という幸運だったのでしょう。
ちなみにですが、この月の優秀作、本田勇氏作はすごい作品です。

本田勇氏作(将棋世界2004年5月)
本田勇(サロン2004_5)

82香、71玉、63桂!、同金、53角成!、同飛、83桂、同銀、81飛、72玉、64桂、同銀、61飛成、同玉、62金まで15手詰。

これで図面あっていたかな?バックナンバーが手元にある方、ご確認いただけると幸いです。
今気付いたんですが、この作品、53角成に62歩合は83桂、同銀、81香成、同玉、63馬以下なんですね。
捨て駒の順番が絶妙です。

それ以降、将棋道場に通うたびに将棋世界のバックナンバーを漁って詰将棋サロンを閲覧するようになります。
このときも解くよりも鑑賞優先で、ほとんど自力で解いた記憶はありません。
そんな時に出会ったこの作品も、強烈に印象に残りました。twitterでも絶賛されている下の作品。

奥川隆氏作(将棋世界2004年2月)
奥川隆(サロン2004_2)

13銀!、同玉、24銀!、同歩、31角成、22桂合、24馬、12玉、13歩、同桂、34馬、同桂、24桂、23玉、32馬まで15手詰。

『完璧な完成度を誇る実戦形の傑作。誰もが思わず立ち止まって見入ってしまう美しい初形ながら、
手順は実に詰将棋らしい。』(ssさんのtwitterより引用)

序の4手、動く22桂合、パラっとした実戦型からは信じられない内容。

ちょうどこの号に浦野先生の文章が載っていて、そこで紹介されていたのがかの有名な「盤上のファンタジア」。
感動を越えた作品があまりにも多く、当時は理解が追い付かず。
あまりにもすごい作品が多すぎるのでここでは割愛しますが、
この本の中に詰将棋パラダイスの作品があまりにも頻繁に出てくる。
当時通っていた将棋道場でも詰パラは何度か手にしていたものの、あまりにも悪形作が多いのと
マニアックで理解できないことから、ほとんど読んでいませんでした。

あるときふと気になって詰将棋パラダイスのホームページをふと覗いてみました
(いろんなコンテンツがある中で、なぜか「王の行進」から読み始めた私は
「何とマニアックなページだ」とびっくりしていました)。

読み進めていく中できれいな作品に出会う。解いてみようと思ったのに全く歯が立たない。

山岸栄一氏作(近代将棋、年代不明)9手詰
山岸栄一氏作(近代将棋)
(詰将棋パラダイスのホームページより)http://www005.upp.so-net.ne.jp/tsumepara/contents/4appre/appre/appre05.htm

13角!、33玉、53飛!、44玉、55銀、53玉、35角成、43玉、44馬まで9手詰。

3日くらい考えて分からなくて、ついに正解を読んだ時の衝撃!今でも決して忘れられない作品の一つ。
43飛では詰まず、53飛で詰むというメカニズムは最初理解できませんでした。

このとき、ホームページの表紙は常に作品募集中だということを知る。
自分も作品をのせたい!と思って必死で作ってみたのがこの作品
(とはいえ、何度も余詰で須藤さんに指導いただいた結果の作品ですが)。

自作(2005年12月詰将棋パラダイスHP)
自作(パラサイト表紙)

32角、24玉、35銀、25玉、16銀、36玉、14角成、35玉、25馬まで9手詰。

良く見ると上の山岸作を90度回転させて作っただけなのですが(並べるとバレバレですね)、
当時の私にはこれが精一杯。ともあれ、予想以上の高評価をいただいて鼻が高くなりました。

だんだん投稿してみたい作品が増えてきて、翌年から詰パラ購読開始。
それから毎年、少しずついろいろなジャンルにも手を出すようになりました。

最近は構想作も鑑賞するようになりました(自分では今でも構想作と言えるようなものは作れませんが…)
が、最初に味わった感動(23銀~12銀成の味とか)を忘れてはいけないと思うのです。
料理に例えて言うならば、高級和食やイタリアンを知っていても、ラーメンや牛丼を美味しく食べるのと一緒。
まずいと思って牛丼を食べていたら、世の中楽しくない。
私は今でも詰パラの保育園や幼稚園にも目を通すようにしていますし、
シンプルでもお気に入りの作品を見つけた瞬間は、それが既成手順であっても、とても幸せです。
ついつい料理と詰将棋を重ねて考えてしまうので、このブログの名前もかえてしまったという次第。
どんな作品でも、敬意を持ってじっくりと味わえるようになりたいという意図です。


ああ、まとまらない…とりあえずこのくらいで今日は終わりにしておきます。


※まとまった時間とまとまったやる気が取れずに長いこと放置していました。お詫び申し上げます。
書きたい記事はいろいろあって、石本仰氏作(初手76飛!の27手詰)や伊田勇一氏作(パラ2000年11月号半期賞の29手詰)、
今村修氏作(ゴゴノソラ651手)、田島秀男氏作(まだら)、般若一族作(馬賊戦記)あたりに目をつけているのですが、
果たしていつ書くことができるやら。


[2015/05/07 20:15] | その他 | Trackbacks(0) | Comments(0)
自作倉庫6:11手詰
前回の記事からあまり日が経っていないのですが、そろそろしばらくパソコンに触れなくなるので
先にネタを一つアップしておきます(恐らく、半年近く連絡がつかなくなります)。


短編なのですが、どのくらいの難易度なのでしょうか。
入選級かもしれませんが、今一つ不満が残る出来なので、こちらでアップしておきます。
以前創棋会で見せた時は一瞬で解く人と30分以上考える人と
大きく分かれた様に記憶しているのですが。



解けた方は何分くらいかかったか、目安を教えていただけると嬉しいです。
酷評も大歓迎ですので、よろしくお願いいたします。

========解答(以下をドラッグしてください)========

31角、33玉、42角打、44玉、54金、同龍、33角成、同玉、25桂、24玉、13角成まで11手詰。

54金の一手を成立させたくて作成。
龍が残ったままなのと、3手かかる収束が不満。



[2014/12/20 10:34] | 自作倉庫 | Trackbacks(0) | Comments(3)
詰将棋解析10: フォークランド島(近代将棋1982年10月号_修正図)
無理やり時間を作って、とても久しぶりの更新です。
(この詰の原稿を書いてしばらく満足してしまっていたのがいけなかったのかもしれません、が...)

※前回書いた「香の使い方」の記事、誤字脱字があまりにもひどい。すみません。
そのうちに直しますので、しばらくお待ちください。

今回は、今井光作品に続いて、般若一族の作品を解説しようと思います。

フォークランド島(修正図)


般若一族の作品集が出て、とてもうれしいです(残念ながらインドネシアには持って来ていないので読めないのですが)。
難解な論理で成り立つ作品、いくら解説を読んでも、自分の頭で理解しえない作品が世の中には多くあります。
何度も並べて、論理の組み立てを紙に書いて、ようやく理解できる。同時に、違う視点での解説を書いてみることも大切だと思うのです。

そんなわけで、自分なりに理解できたことをここに示してみようと思います。
説明はかなり簡潔ですので、初見の方は般若一族の叛乱ページの解説(http://hyudo.shiteyattari.com/problem/folkland_island/folkland_island.html)や、
角さん・近藤さんらの編集された般若一族の作品集を一通り
見られてからこちらを読まれることをお勧めします(とはいえ、被っている箇所もかなりありますが…)。
他の説明に載っていない部分も勿論ありますし、逆に本稿で解説できない部分も多々あります。
自分の好きな作品を自分が理解することが第一目的という勝手なサイトですので、お許しください。

■83と型での攻防


初形から、【56飛、65玉、66飛、54玉、56飛、55銀合、同飛、同玉、56銀、54玉、65銀、53玉】


序が結構難しそうですがとりあえず割愛。ここから【56飛】とした局面で
・42玉と逃げると
【54桂、53玉、62桂成、42玉、54桂、53玉、63成桂】以下詰み。
この変化に備えて、桂馬を2枚持っていなければなりません。

・54角合は
【同銀、64玉、66飛、54玉(74玉は63飛成以下)、65角、64玉、43角成】以下。

よってここは54香と中合が出ます。この54香合を同銀と取ると【64玉、66飛、74玉】で逃れます
(ちなみに、66飛に54玉、56香、55銀合、同香、同玉とすると局面が還元するので
ここで逃れ手順を作る必要はないと思われるのですが)。

【54香、同飛、42玉、53飛成、同玉】


【55香、54角合】

角合に変えて54飛合は
【同銀、64玉、56桂、55玉(74玉は63銀生、85玉、86飛、95玉、96歩)、67桂、56玉、66飛、56玉、47金】まで(下線部修正。相馬さん、的確なご指摘ありがとうございます)。
この変化のために55香は限定(56だと飛合で詰まない)。


飛⇒香⇒角の持ち駒変換は見やすいところだと思いますが、果たしてなぜこれを行うのか…。
角を得た後に【71角】とこちらから王手をすれば、83と型から72と型に変化することができます。
また、42玉型で【15角】と王手すると【24飛合、同角、同香】として
22香を24香へ吊りあげることができます。この意味は序盤では分かりづらいですが、後ほど説明を行います。

また、次に説明するように、一旦72と型にすると玉方は54角合を出してこなくなります。
[22香→24香] の変換を行うには、71角よりも先に【15角、24飛合、同角、同香】の仕事を行う必要がありそうです。

これまでの手順をまとめると、

・序から

【56飛、65玉、66飛、54玉、56飛、55銀合、同飛、同玉、56銀、54玉、65銀、53玉】


【56飛、54香、同飛、42玉、53飛成、同玉】


【55香、54角、同香、42玉、15角、24飛合、同角、同香、53香成、同玉】


変換をもう一度繰り返します。
【56飛、54香、同飛、42玉、53飛成、同玉】


【55香、54角、同香、42玉、53香成、同玉】


72とへの変換を行います。ここでは香合いをした方が手数が長い。
【71角、62香合、同角成、同玉、72と、53玉】


■72と型での攻防
角を渡しては62に打たれて簡単に詰んでしまうので、55香には飛合、56飛には香合で対抗します。
【55香、54飛合、同香、42玉、53香成、同玉】


ここで千日手になってしまいそうですが、56飛、54香合に対して同銀、64玉、66飛という攻め方が可能になっています(83と型のときはここで74玉と逃げられて不詰)。
すなわち、
【56飛、54香、同銀、64玉、66飛、54玉】


※ここで74玉と逃げるのは63飛成以下、香を手持ちにしているので詰みます。

【56香、55銀合、同香、同玉】
72と型にするとはじめて56香、55銀合という手順を繰り返すことができるようになると分かります。


46金が入れば、あとは持ち駒変換を行って、こじ開けた45に桂馬を捨てて詰み。
83と型で、56香に対する54飛合の変化でこの47金が必要なので、角で局面を変化させた後に37金を捨てることが必要だったのです。
【46金、同歩、56銀、54玉、65銀、53玉】


※72と型で、55香に54飛合とされたときにこの攻め方が可能に見えますが、香一枚の差で詰まなくなっています。
すなわち、46金を捨てる前の局面で、55香に54飛合、同銀、64玉、65飛、74玉、63飛成、85玉は不詰。


あとは2つ上の図から収束です。
【56飛、54香、同飛、42玉、53飛成、同玉、55香、54飛合、同香、42玉、53香成、同玉、45桂、同香、54飛、42玉、43銀成、同玉、35桂、33玉、34香、42玉、44飛、53玉、43飛成】
まで93手詰。

手順中の34香に対して24玉と逃げられないように、24をあらかじめふさいでおく必要があったのです。

■まとめると
・46金捨てで45をこじ開けてから、桂捨てを行うことで収束に入ることができる
・46金を行うために55玉型を実現しなければいけない
・55玉型を得るのは序(9手目の局面)か、【56飛、54香合、同銀、64玉、66飛、54玉、56香、55銀合、同香、同玉】とした局面のみ
・上記の手順中、66飛に74玉の変化は[72と]型でないと詰まない
・[83と⇒72と]の変換は角が必要。【71角、62香合、同角、同玉、72と】として行う
・55香に対して飛合を行ったときは、【同銀、64玉、56桂、55玉、67桂】以下。この手順は47金がいないと不詰
・よって83と型では56飛に香合、55香に角合が登場する。
・一旦72と型に変換すると、玉方は角合を出してこない(62に打って早詰のため)
・72と型では、56飛に54香合、55香に54飛合が登場する。今まで同銀~56桂で詰んでいた局面が、と金の移動によって詰まなくなっている。
・収束に入るまでに[22香⇒24香]の変換を行う必要がある。この手順は【15角、24飛合、同角、同香】として実現可能(つまり持ち駒に角が必要)

これらの手順を総合すると、
(飛→香→角)⇒[22香→24香への変換]⇒(飛→香→角)⇒[72と型への変換]⇒(飛→香→飛)⇒[55玉型を得る]⇒[46金捨て]⇒(飛→香→飛)⇒[45桂捨て]⇒収束
という手順が一意的に定まることが分かります。

■筆者の感想
83と⇒72との部分と、37金⇒46金の部分。
それぞれのカギを独立に進めることが可能なのですが、
持駒変換と相まって、どこで、どのようにというところが非常にややこしい。

83と型で、66飛に74玉の局面を不詰にすることは、この作品を成り立たせるためには必須ではないように思えます。74玉ではなく54玉と逃げると千日手になるからです。
しかし、83と型でこの手順を追ってみた解答者は、83と型で不詰になる74玉の局面が、72と型にして詰むようになっているとは一寸考えにくいかもしれません。
83と⇒72との移動は、角合の際に62角を打てるようにするだけではなく、左辺に逃げたときに63龍の横利きを通すためのものでもあったのです。
この8・9筋の変化と紛れの切り分け方に相当苦労したのではないかと思われます。

この変化が利くことを利用して一旦玉を55まで呼び出し、46金捨てで45をこじ開けて収束に向かう。
最後になってはじめて、15角、24飛合、同角、同香の交換を入れた意味がわかります。

変化紛れがそこまで難しいわけではないのに、頭が混乱しました。シンプルな割り切り方で本当に見事です。
「46金が見えやすいので~」という般若一族の叛乱サイトでの解説通りですが、
83と型と72と型を比較したとき、不利感があるように思えて実は、74玉の変化では72と型の方が有利であることが分かります。
持ち駒変換のサイクル中で仕事を入れようとする作品は、持ち駒変換が正しく(玉方が選択の余地なく)行われなければなりません。
A⇒B⇒C の持ち駒変換ではBの瞬間に仕事Xが成立するのに、
A⇒C と(玉方の意思で)局面変化させられると、仕事のタイミングを失うからです。

赤羽守さんの名作(17手詰)が作品の発端だと書いてありましたが、
むしろ私には上田吉一氏作の「積分」の方が近いのではないか、と思います。

しかし、よくこんな仕組みをいとも簡単に作ったなあ、と感心させられます。
と金の位置変換によって、飛合と角合の詰・不詰がうまくスイッチする機構。
奇跡的に変化と紛れを両立させる8・9筋の配置。
54中合をいとも簡単に出す、攻方52歩・玉方41桂。拍手です。

※一つ追加。
合駒制限で歩が立つので51と28に歩を配置したと首さんのサイトには書いてありますね。しかし、同時に、歩をピッタリ18枚使いきったとも書いてあります。
もしかしたら、37金くらいは37とにすると一枚減るかもしれませんね。
自陣成駒なので、原図の方が良いかもしれませんが。
[2014/12/07 16:39] | 詰将棋鑑賞 | Trackbacks(0) | Comments(11)
詰将棋解析9:香の使い方
【8/26】宮原航氏作「ミルキーウェイ」を本文中に追加しました。
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お久しぶりです。だいぶ更新が滞ってしまったようで…
書きたいネタがないなあ、と思って探し回っていたら、かなり時間がたってしまったのです。

遅くなってしまいましたが、全国大会でいろいろな方とお話ができてよかったです。
皆様、本当にありがとうございました。

さて、香の限定打、についてのまとめ記事を書こうと思います。

※空港で急いで書いたら時間が来てしまった…。一時的に読めるようにアップしておきますが
図面や誤字脱字、改行のおかしいところはそのうち時期を見計らって修正します。すみません。

香の特質ですが、「成ったり駒を取ったりせずに王手をかけるとき、盤上にある駒を動かして王手を
かけることのできない駒」であるところだと思います。

歩は突く、桂馬は跳ねる、などの感触がありますが、香ではそのような動きを伴った感触は詰将棋では(攻め方の手としては)あり得ない。扱いが難しく、だからこそ素敵な駒でもあると思うのです。

頭に焼き付いている作品から少しづつ、テーマと仕組みで大まかに分けて並べてみたつもりです。
もう知っているよ、という方も多いとは思いますが、仕組みを再確認してもらえると嬉しいです。

短編では距離感を出したいけれど、玉の移動する変化を盛り込めないので必然、何かの工夫が必要になってきます。
例えば下の作品。

■小林敏樹氏作(詰将棋パラダイス1985.7)この詰2010より

39香、同馬、33飛、22玉、13飛成り、同玉、23角成まで7手詰。

他の駒で取られてはいけないために最遠打。

■原田清美氏作(詰将棋パラダイス1999.5)この詰2010より

28香、31玉、32飛、同玉、33角成、同玉、34香まで7手詰。

19角の利きを遮断する目的。初手28香を取ると馬が質駒になって早く詰んでしまいます。
こちらは最遠打ではないですが、美しい。軸駒の角を捨て去る鮮やかな収束です。

もちろん、これらは香車でなく角や飛車での表現も可能です(この詰2010に他の作品が数多く引用されています)。

風みどり氏がこの詰将棋がすごい!で、香の遠打に対する中合対策、というものを書かれていて、短編において非常に重宝する論考。

これら二つの作品は、途中で合駒された時の機構は一緒です。すなわち、飛車で合駒を食べてしまえば香が後ろ盾になって、玉はたじたじという仕組み。

その他で遠打を表現しようとすると、最近では次のような作品が。

■芹田修氏作(2012.12短コン)

19香、21玉、18馬、91龍、22歩、12玉、45馬まで7手詰。
香の遠打に関しては前例がいくつもある模様。ですが本作で注目したい点は、中合の変化処理。
2手目17桂合の変化は同香、21玉、45角成、91龍、13桂で詰む。歩合は二歩でできず、角は売り切れ。他の駒は前に利くので取って22に打って詰み。一枚でも多く持ち駒を入手すると詰む、という処理の方法。

超短編においてこれを取り入れすのは難しいですが、桂合の処理が非常にうまくできていると思いました。

ほかの短編で、守備駒を動かさないパターンはこちら。
■きしはじめ氏作 (詰将棋パラダイス1987年6月)


39香、38銀合、34飛、46玉、47銀、同銀生、36飛、同銀生、45馬、同銀、47銀まで11手詰

持駒に金がないと余詰が出にくいように思います。そういえば、他の作品でも香の限定打を作るときには金ではなくて銀が多い。
こういう理論は感覚ではなくデータで示せないものなのでしょうか。ともあれ本作、簡潔な配置で見事に描き切っており、脱帽です。
ちなみに香遠打と38中合の意味づけは2手目26玉の変化中、38に玉を逃がさないようにという明快なもの。



■小林敏樹氏作 (詰将棋パラダイス1995年6月)


56金、同玉、74角、66玉、55角、同玉、59香、66玉、58桂、55玉、54金、同玉、66桂まで13手詰

看寿賞。58桂を打たなければいけないという意味づけ。58香だと詰みません。


この作品ですごいところは、58合の変化では前に利く駒を取って詰む(桂馬は打てない!)のに、
57桂合の時は平凡に47桂以下詰んでしまうところ。



■自作(詰将棋パラダイス2009年5月、半期賞)

39香、36角合、45飛、26玉、18桂、同角成、28香、同馬、46飛、同馬、18桂まで11手詰
こんなところに自作を載せていいのか…?香打、合駒、つなぎ、駒の翻弄というリズムはきしはじめ氏作と一緒。

さて、少し香の枚数を増やしてみると、翻弄ものができます。

【翻弄の香打】

■三輪勝昭氏作 11手詰(詰将棋パラダイス2014年4月)

49香、同馬、48香、同馬、47香、同馬、36金、同馬、44龍、同玉、34馬 まで11手詰

2手目48歩合は47香として

36玉、46金、37玉、39香以下。

また、49香に47歩合なら36金以下、作意に短絡します。


変化紛れが少なめで、きれいにできている作品だと思います。
伊達悠さんが9手詰で香3連打を作図していたような気がするのですが、ぱっと図面が出てきません。
どなたかご存知でしたら教えてください。

この作は割合にシンプルな割り切り方をしているが、同じ作者でも化け物のように違う作品も。

少し前の作品ですが、高橋農園「看寿賞に選ばれなかった傑作」コーナーに
載っていて心底感動しました。

■三輪勝昭氏作 17手詰(詰将棋パラダイス1992年11月)

56香、同飛、55香、同飛、54香、同飛、63銀、41玉、53桂、同飛、52銀、同飛、53桂、同飛、63角成、同飛、51角成まで17手詰

初手57香は55歩合で不詰。56香と打っておけば64桂、53玉、54銀、64玉、42角成、74玉の時に76香と打てて詰む。


ちなみに55歩合は、取ると53歩合で、以下51角成、43玉、61馬、44玉の時に脱出しようという意図。
香が56にいれば35銀と打って詰みます。


左右の変化紛れを駆使した初手限定。シンプルなのにどうしてこうもうまくまとまるのでしょうか。
56香を入れることによって逃げ道がふさがり、55香に対して53歩合の変化も詰むようになっています。


収束も見慣れてはいるけれど、飛車の翻弄でテーマが一致していて完璧。
推敲しつくされた配置で、なぜ看寿賞を取れなかったのか不思議でなりません。

同じテーマでも、作者によって表現方法は異なります。格好の例が下図。

■中村雅哉氏作 11手詰(半期賞受賞作)

39香、同龍、38香、同龍、36香、同龍、46桂、同龍、35角成、同龍、53飛成まで11手詰

初手の意味づけは2手目37歩合の変化。36香、45玉、35角成、56玉、63飛成と進むと、38が埋まっている必要があるというわけです。


戻って、龍を39に呼んでおけば、38香に37歩合の変化は35角成!、同玉、33飛成以下詰み。


6手目45玉の変化でも、38が埋まっていることが詰みの条件になります。


変化が豪華で、同年の同氏作がなければ、看寿賞も狙えていたかもしれません。

【違う筋からの香打】

■上田吉一氏作 17手詰(極光21 第54番)

38香、同と、55飛成、26玉、29香、同と、35龍、同玉、38香、37飛合、27桂、同角成、37香、同馬、15飛、同馬、36金まで17手詰。

大駒の中合の部分から作り始めた、と本文には書いてありますが、3香の限定打はなかなか作れるものではありません。
ちなみに初手39香は、同様に進んで29香の瞬間に37玉で逃れ。29香に対して28歩合は15龍以下、28がふさがっているので詰みます。

どの作品においても、合駒された瞬間にそれを利用して詰ませるか合駒をとって持ち駒の差で詰ませるかしないといけません。

これに触発されて真似しているうちにできたのが次の自作(また自作!)

■自作

44馬、36玉、28桂、同と、48桂、同金、39香、同金、26馬、45玉、49香、同金、44馬、36玉、38香、同金、26馬、45玉、46歩、同桂、44馬、36玉、27龍、同玉、26馬まで25手詰

作品の解説はこちらを参照ください。


【違う段からの香打】

翻弄のほかに、一瞬の隙を狙った段を違えて打つ捨て駒としての香車も美しいです。
これは、合駒の変化処理と紛れ処理がもっときわどくなるパターン。作図はとても難しい。

■山田修司氏作 33手詰(近代将棋 1969年11月/「夢の華」73番)


42飛、51玉、63桂、同金、59と、同と、53香、同金、41飛成、62玉、61龍、73玉、72龍、84玉、94角成、同玉、92龍、93金合、83銀、95玉、93龍、86玉、87銀、同玉、96龍、88玉、89金、同玉、98龍、79玉、89金、69玉、78龍まで33手詰

伏線で53をあけ、59へと金を動かし、また閉じる。

※私が持っている、上田さんから拝借した「夢の華」の図面ページには、「74歩→74金」というメモ書きが施されています。これで余詰なしの模様。2014年8月号パラ、若島先生の寄稿より。

山田修司さんの作品は、意味づけが変化の中に隠れずに作意に出てくることが多いように思います。
本作も例にもれず、玉を9段目まで追いまわしていき、私などは途中がつなぎのような印象を受けました(失礼)。
しかし、「変化に隠すことが奥ゆかしい」という考え方が比較的新しいとしたら、素晴らしい作図技術でこの滑らかなつながりが実現できていることが分かります。

ちなみに、現代風に(つまり舞台を移さずに)同じ表現で作っているのがこちら。もう一回上田さん作です。

■上田吉一氏作 (極光21 第75番)

53香、52飛合、同香成、同玉、56香、同馬、51飛、同玉、53香、52飛合、41飛、同玉、44香、42銀合、52香成、同玉、51飛、同銀、43香成、41玉、31歩成、同角、32とまで21手詰

飛車合の中に挟まった56香打がすごい。この作品、実は極光21の中で私が最も気に入っている作品の一つ。

同じ筋で異なる段の香打。二つが離れていれば離れているほど作図は難しく、例えば山田さん作であれば59香に対して53歩合や香合とする変化をかなりきわどいところで分けないといけない。

さて、中編では上のような作り方でまとめるほかに、何もない空間からの香打という表現も可能。
この手数では変化紛れの自由度が増えるので、より一層距離感を出すことができるようになります。

■若島正氏作 21手詰(盤上のファンタジア第52番)

39香、35銀合、同香、22玉、33香成、14玉、24銀成、同玉、13角成、同玉、35馬、24飛合、15香、14桂合、22銀、12玉、14香、同飛、13馬、同飛、24桂まで21手詰

2手目に23玉では24銀成~35馬~17香で簡単。下図は35香の局面。

ここで35がかなめの升目になっているのですが、単純に35歩合では31角成、23玉、24銀成

同玉、35馬、15玉、16歩、同玉、18香、

27玉、17馬まで詰み。

また、38歩合、同香、35歩合には31桂成、23玉、24銀成、22玉(同玉は35馬から17香~33角成と引けるので詰み)


23香、12玉の瞬間に13歩と打てるので詰み(ここの局面で一歩の差を出している)。
以下の収束もきれいで、傑作としか言いようがありません。

同じ遠打の構造を使ったものが、次の傑作。

■相馬康幸氏作(看寿賞受賞作)


39香、22玉、44馬、33銀、34桂、12玉、13香、同桂、24桂、同歩、22桂成、同銀、同馬、同玉、23香
、同玉、32銀、12玉、23銀打、11玉、21銀成、同玉、32香成、11玉、22成香まで25手

22桂成と24桂の手順前後の傷(本来なら余詰とみなされるのでしょうが)はありますが、こんなにきれいな図面から完璧な手順は捨てられない。
初手の香打に対して桂合は売り切れ。歩の中合は同香、22玉、33銀、同桂、同馬、21玉、22歩、11玉、13香、12歩合(桂は売り切れ)、同玉、13香、同玉、25桂、12玉、13香まで。歩一枚の差で割り切っています(この手順で、歩が一枚足りないと詰まない)。

また、作意手順中の13香に同玉とすると、25桂、24玉、35馬、15玉、16銀、同玉、18香、27玉、17馬まで。この2つの理論によって香遠打と中合の利かない構造が出来上がっています。


【追記】最近の作品で素晴らしい出来のものをもう一つ書き忘れてました。

■宮原航氏作(2014年4月号短大)「ミルキーウェイ」

35銀、同玉、36歩、24玉、35歩、同玉、39香、38歩合、同香、同と、36歩、34玉、35香、24玉、46馬、15玉、14飛、同龍、16歩、24玉、33香成まで21手詰。

36香と打っても手の続く局面で、39香の遠打!これは、24玉と逃げられた時に


46馬、15玉、26銀、同玉、35馬、27玉、17馬として詰ませるためのもの。



惜しむべくは18香の配置が収束まで不発で終わってしまうところと、
38香に対して同とでも、24玉でも逃れてしまうところでしょうか。

17馬の詰上がりは相馬氏作・若島氏作と一緒ですが、本作の場合はそれよりも
違う段からの香歩打の攻防が、こんなにきれいに成立している、ということに驚きを禁じ得ません。
上二つのテーマが見事につながっています。
評点は5作中3位ですが、この月の中では(個人的に)ダントツに好みです。

他の怪物のような変化紛れの例だと、2年前の看寿賞作が有名ですね。
■真島隆志氏作(看寿賞受賞作)


69香、68歩合、同香、66桂合、同香、65桂合、同香、64銀合、同香、63銀合、同香成、同角、73香成
、同玉、82銀生、62玉、73銀打、53玉、56飛、44玉、33銀、35玉、24銀引生、25玉、37桂、24玉、42
馬、33銀合、25香、13玉、14歩、12玉、24桂、同銀、13歩成、同銀、23香成、同玉、53飛成、12玉、
13龍、同玉、25桂打、14玉、26桂、同と、15銀、23玉、33馬、12玉、13桂成、同玉、24銀、12玉、23
銀成、11玉、21歩成、同玉、22成銀まで59手詰

変化はあげるときりがないのですが、遠打のメカニズムとしては玉を下段に追った時に詰ませるためのもの。

初手69香に対して66歩合の変化を一例として挙げてみます。
72飛、53玉、42飛成、63玉、41馬、64玉、62龍、54玉、63馬、55玉、64馬、76玉、54馬以下。
ここで香が68にいれば77玉で逃れるというわけ。この局面において36馬と引く手があり、24桂はそれを防いでいると考えられますが…
こんな難解な作品、私は作れる気がしません。真島さんはきっととても棋力と気力のある方なのでしょう。

■ まとめ

香の限定打にもいろいろなまとめ方と目的があります。ある程度項目に分けて記述してみましたが、同じと分類されるものでも表現や見せたいものの浮かび上がらせ方によってずいぶんと異なる作品が出来上がる。

そして、作者の考えたことに思いをはせる。詰将棋の素敵なところだと思うのです。

■ おわりに

8月号の若島先生の論考に山田修二さん作が出ていて、香について一回まとめたいと思ったのが今回の動機になりました。しかし、少しずつ書いていたらかなり時間が。しかも頭に残っている作品しかわからず、比較的よく知られている作品が多く並んでしまったことかと思います。

しかし、複数局並べてみると意外に共通のまとめ方があったりするもの。書いていていろいろと勉強になったり、頭の整理になったりということもしょっちゅうです。それにしても、今回作品を提示しようとして、本当に豪華なメンバーしか思い浮かびませんでした。他にも傑作があって、自分の頭から漏れているだけかもしれませんが…

さて、今年度はかなり長い間離島に滞在し、ネットが使えない状態となりそうです。
その間ブログはお休みとなりますが、どうぞご理解いただけますよう。

ではでは。
[2014/08/08 11:50] | 詰将棋鑑賞 | Trackbacks(0) | Comments(0)
自作倉庫5:打診中合?
そろそろ一ヶ月たったので何か書かなきゃ、と、ブログを久しぶりに開いてみる。
ただ、自作倉庫の場合はできた作品をそのまま貼り付けるだけでとくに芸がない記事に感じてしまいます。

投稿するレベルではない×多くの人に解いてもらってもがっかりしない、というラインを探るのは難しいのですが、
偶然できたこの作品くらいならよかろう、と。
昨日会った友人からは投稿していいんじゃないか、と言われましたが、やっぱり原理図にすぎないもの。
おまけに桂も売り切れのために頑張って使っているようなものなので、投稿レベルじゃないのかな、
と考えてここに出すことにしました。15手詰です。


解答は図面の下に白字で記しておきます。自力で解かなくとも、コメント下さるとうれしいです。



【作意手順と解説】は、下をドラッグすると現れます。
21飛生、22歩合、同飛成、23歩合、同角成、25玉、14馬、同玉、15歩、同玉、16歩、14玉、36角、同銀、26桂まで15手詰。

初手21飛成は23歩合で逃れ。2手目23歩合は同飛生以下早い。22歩合に同飛生は14玉で11香車が取れずに逃れ。
ということで、11の香を狙いながら攻めなければいけないので22には龍が必要、という意味付けです。
一番シンプルな打診合いの原理図から見ると新しいけれど、手順を見ただけではあまり新しくないかも。

打診中合というと、成れない位置(4段目)に打診するのが普通(例えば伊藤果先生作「王様殺人事件」に出てくる作品など)ですが、
本作では成が可能な位置なのに打診合になっているところが主張です。

これを使って三段中合は可能だろうか…と考えていたところに
若島先生がまさにピッタリな原理図を最近作った、と言って見せて下さったのには驚きましたが。


ではでは。
[2014/06/06 22:47] | 自作倉庫 | Trackbacks(0) | Comments(4)
自作解説補足2:7手詰(詰将棋パラダイス2013年4月)
※どうやら冒頭に目次を表示していると、おもちゃ箱に拾われないようなので、削除しました。
プロフィール欄に移しておきます。

私事ですが、現在のパラの入選回数は30回くらい。
将棋世界など他のコーナーの発表作も含めると、40作くらいが既発表フォルダに入ってます。
実は一度もここで超短編の解説をしたことがなかったかもしれない…。
ということで、創作過程の説明をしてみようと思います。
今回取り上げる題材は、昨年半期賞をいただいた自作。
実は、いくつかの作品を組み合わせ、変形させてできているものです。

発想が浮かんだのは高校生の時。下の2作品に感動しました。

小林敏樹氏作(7手詰)(詰将棋パラダイス1990年12月/2006年3月将棋世界付録)
7手_kobayashi

45角、同桂、49馬、57桂生、37歩、49桂成、36歩まで7手詰。

ちょうど詰将棋パラダイスの購読を始めたばかりの時だったと思います。
小林さんの作品集が見れる!付録目当てで将棋世界を購入しました。
こんなサーカスみたいな手順が成立するなんて!

形は重いですが、相当作図に苦労されたのでしょう。
大駒4枚持っている状態で移動中合を出すのは大変。これがベストと思われます。
さすが小林さんです。

続いてこの作品。

若島正氏作(15手詰)(将棋世界1982年5月/「盤上のファンタジア」10番)
11手_wakashima

11金、同玉、23金、13馬、33馬、21玉、22馬、同馬、33桂、同馬、12金まで11手詰。

このころ、盤上のファンタジアを穴のあくほど読み返していました。
永遠の夏休みのようなあの時間。
本作から得た発想は、背後に香や龍がいる場合でも中合っぽく見えるということ。
そして、意外と気づかれにくいのではということ。

小林氏の作品では、移動中合は45を開けるのが目的。
しかしこの二つを合わせると、当然ながら小林氏作の構図で、
攻方67飛の背後に77飛を置きたくなるわけです。
すると玉が逃げていくような変化を置く必要がなくなりますし。
…と考えていると、どうやらこの構図で馬の開き王手を止めるには
いくつかの合駒があることがわかりました。

3手案

この、39馬の王手に対しては、47桂合、37銀合、37金合、37角合、37香合が
27香までの詰を防止するための受けになっています。

このうち、47桂合は無駄合なのでとりあえずおいといて
(実は玉方55桂を配置すると面白いですが、小林さん作と比較して
明らかに見劣りするので見送った)、
角金銀の合駒は取ったら詰みそうな構図なのですが、香車だけはうまくいかず。
いろいろ考えたのですが、これを偽作意として馬を逆方向に飛ばすことで
一旦はまとめました。
67飛成で飛車が縦に利いてくるので、馬の移動が限定になるところも
本作を完成図としたところの原因でした。

3手案_不詰

ところがパソコンでチェックしてみると、この図が詰まないのです。
よくよく考えてみると、何と75馬には27歩合で逃れている…
これも偽作意にして、第三の詰め方を作ったらもっと凶悪な3手詰になっていたことでしょう。

結局これ以上の構図は見つからず、やむなく25とを配置することで発表。

自作(詰将棋パラダイス2007年5月小学校)
3手_para2007_5

75馬、67飛成、53馬まで3手詰。
※初手39馬は37香合(限定)で逃れ。

この図でも140名中28名が誤解。相当の人に不快な思いをさせてしまったと思われます。

さて、本作は創棋会作品集「撫子」にも掲載したお気に入りの作品なのですが、
よく見るとやっぱり無駄な配置が多い(例えば55歩とか)。

あるとき上の3手詰を見返していたのですが、ふと
28歩と29香を入れ替えてみたらどうだろう…とやってみた。
すると、ふとひらめいたのです。26香と走らせると、37の駒はピンされたまま!
香を玉にとってもらって収束するようにすればいい。
これを作意に昇華させようと頑張った結果、下図のような7手詰めを得ました。

7手_案1
58角、56金合、45香、同玉、55馬、同金、36角まで7手詰。

(この図は検討していないので余詰んでいる可能性はありますが、原理的には成立しています)
しかし金合が出てくるのでちょっと重い。余詰消しも結構おかなきゃいけないだろう。
もっと欲張って考えると、初手から65歩があって、角の動きが自由ではない。

ふと、金合を移動合にしたらどうだろう…と思い、
やがていじっているうちにできたのが次。かなり完成図に近づきました。
7手_案1_5

このときについてきたボーナスとして、初手55角の紛れがあげられます。
これが47歩合で逃れていたのは、作者にとっても幸運でした。

この図を棋友に見せたところずいぶんと考え込まれてしまう。
これはいけるかな?という感触を得たのがこのときでした。

しかしこの図も不満があります。44とがどう見ても45の銀を支えるだけの目的で、
上に逃がせと示唆しているような配置だからです。

1週間くらいあれこれ考えて、ようやく36銀配置を発見。満足のいく図になりました。
満を持して投稿。

7手_案2

しかししばらくして、編集部から返送のお手紙が。
「5手目から86飛以下余詰」ガーン。

7手_案2余詰

運よく97飛を龍にするだけで何とかなりましたが、もしそのまま発表されていたら
大切な素材が余詰で潰れていたかもしれません。
検討係の方に感謝。

自作(2013年4月詰将棋パラダイス小学校)
13-04小学校(27)
59角、57と、46香、同玉、56馬、同と、37角まで7手詰。

作っていく過程で偽作意ものにするつもりは全くなかったのですが、それでも誤解者が11名。
やはり、変化で47香をずっと読ませながら46香と逃がすのはやりにくかったようです。

かなり適当な記事ですが、今日はこのくらいで。
[2014/05/14 08:55] | 発表作補足 | Trackbacks(0) | Comments(0)
詰将棋解析8:田島暁雄氏作(69手詰)
0.はじめに

先週は東京の会合、詰工房に参加。
初めてお会いした方がたくさんいらっしゃって、とても刺激になりました。
加えて、このブログが結構多くの人に読まれていることを知ったので
いい気になって記事を書いてみました。
そして、忙しいはずなのになぜか筆は進む。
お暇な方は、GW後半の空き時間にでも読んでみてください。

今回取り上げてみたのは、詰将棋メモの「正解者なし難解作」を勉強しようと思って見つけた作品
http://toybox.tea-nifty.com/memo/2009/01/post-5f4c.htmlをご覧ください)。

「詰将棋の欠片(http://hirotsume.blog.fc2.com/)」を頼りに見ただけでは
不利合駒がちょっと出てくるだけで、なぜ正解者なしだったのか理解できない。
しかし、当時の解説には
「発表当時、正解者なし。とにかく複雑難解な構想作品です。」と書いてある。
本当か?疑心暗鬼のまま、何とかひも解いてみようと少し鑑賞。

序盤を理解したので何とか解説を書きはじめましたが、
後半になってくるにつれて実はだれてきた。
その原因としては、構想が重なって一つの作品をなしているわけではなく、
いくつか山が分かれていることにあったようです。

とはいえ、実際に記述する構想や作品としては、
現代でもなかなかお目にかかれないような代物。頑張って味わってみましょう。


田島暁雄氏作(1971.11 近代将棋)塚田賞受賞作


1.不利合駒の2つの罠

初手から自然に進めてみます。厄介そうな初形ですが、57玉と逃げられたくないので
とりあえず飛車の横利きを通してみたくなるところ。ということで、自然に進めるなら
【39角、48歩合、同角、同と】



※48歩合のところ、57合だと
【58桂、65玉、74銀、64玉、54馬まで】
この辺はまだ見やすい。

上図より、67歩も自然なところ。
【67歩、同桂成、同馬、65玉、76馬、56玉】



ちなみに最後56玉に変えて64玉と下に逃げようとするのは、
【67飛、73玉、83歩成】以下。

さて、この【76馬、56玉】の局面が問題です。ここから普通に進めると
【57銀、45玉、54馬、35玉】
これは典型的な打歩詰の局面。



手順中57銀にかえて、67銀型なら打歩詰にはならなさそうですが…



ここから【36歩、46玉】と進めてみた局面が不思議に詰まない。
38桂なら同とですが、58には依然として香が利いています。

勘の鋭い方ならここでお分かりかもしれませんが、実は67銀や57銀の代わりに
57歩ならこの変化は詰んでいる。というのも、67銀でなく57歩なら、55香の利きを遮ることができるからです。
つまり、4手目まで進めた局面に戻って…



【67銀!、同桂成、同馬、65玉、76馬、56玉、57歩、45玉、54馬、35玉】



さっき想定した局面が出てきました。ここからなら簡単。
【36歩、46玉、38桂、同と、58桂まで】

最後の桂馬が非限定なので、これが作意のはずはありません。

※持駒の銀を先に使っているので、76馬に対する64玉の変化がちょっと難しく
なっています。すなわち、65玉まで進んだ局面から
【76馬、64玉、67飛、73玉、83歩成、同玉、63飛成】
以下。しかし、解答者にとっては踏み込みたくない変化。
このあたりの心理的に指しづらくするような作り方がすごいなあ、と思いました。

さて、すべての変化が詰んだところで再び。
勘の良い方なら2手目の歩合がおかしいことに気付くのではないでしょうか。
つまり、初手から



【39角、48銀合!、同角、同と、67銀、同桂成、同馬、65玉、76馬、56玉】



2手目に銀合されると、さっきの紛れ図に戻ってしまいました。
こうなると、さっき見た通り詰まない。鍵は2手戻したこの局面にあります。



76馬に代えて、以下
【74銀打、64玉、63銀成!、同玉、75桂、64玉】



何ともやりづらいですが、75桂に対して
73玉なら83歩成以下、53玉なら
【43と、同金、45桂、52玉、53香、41玉、51香成、同玉、42金】以下
難解ですが詰んでいるようです。ここでかなりの落伍者が出たのではないかと予想。

※近代将棋の解説再現を見る限り、ここまでたどり着いた解答者は結構いた模様です。
しかし、不利合駒に気付かずに2手目の合駒を歩合とし、67歩から74銀と攻めて
作意に還元してしまった可能性があります(後述)。

普通に進めると
【66香、65歩合、同香、同玉、76馬、56玉、57歩、45玉、54馬、35玉、36歩、46玉、58桂、同と、38桂】まで?

先ほどと同じで、どこがおかしかったのかもうお分かりでしょう。

【66香、65金合!】



もし65銀合なら
【同香、同玉、74銀打、75玉、76馬、64玉、54馬、75玉、76馬、64玉、67飛】
以下。ということで金合です。

おそらく作者の狙いは
「同一地点における打歩詰の誘致のため、2回の不利合駒を行う」
ことにあったようだと、ここにきてわかります。

上図から普通に進めると同じような局面となり、
【同香、同玉、76馬、56玉】



67金も、57金も詰まないことは、(金か銀かの違いはあれど)上に書いた紛れで見たとおりです。
ここで第二の関門が待ち構えていた。当時の解答者に関して何の情報もありませんが、
多くの人が打歩詰をいかに打開するかを考え、失敗したのではないでしょうか。

2.伏線の馬捨て





不利合駒の金を取った局面から別の攻め方をしてみると
【76銀、74玉、85金、73玉、83歩成、64玉】



最後、62玉なら手が続きそうですが、64玉とされると続かなくなる。

そこで…
【76銀、74玉、56馬!、同香、85金、73玉、83歩成、62玉】



さんざん読まされたあとの伏線手はなかなか見えにくい
(馬を消しておけば、最後64玉と逃げられても67飛と回って詰みます)。
序盤で働いた馬がここで邪魔駒になってしまうとは。
また、62玉に対しても67飛と回って手が続きそうですが、左辺に追ったときは
後述するように、23飛成という手が出て詰むことになっています。
つまり、ここで飛車を回ってしまうと23飛成ができずに詰まない仕組みになっているのです。難解。

3.打歩詰回避の回り道

さらに進めてみます。

【74桂、53玉、43と、同玉】



【45香、53玉、23飛成、同金、44銀、64玉】



また打歩詰が出てきました。序盤の不利合駒を理解しても、この変化を
読み飛ばして(後述の通り、43とに同金から作意に短絡してしまって)
引っかかった人も多いのかもしれません。

この打歩詰は解消できないので、8~9筋の攻防で回り道をする必要があります。





…平然と進めていますが、この辺はすでに変化・紛れだらけ。頭はパニック状態!
皆様、どこにトリックが仕掛けられていたのかわかりましたか?…

(この第3の関門ともいうべき仕掛け、私は全くわかりませんでした)





一度65金合した局面まで戻ります。



【65同香、同玉、76銀、74玉、86桂、84玉、94金、73玉、83金、62玉、74桂、53玉、43と】



なんという進め方でしょう。少し上の紛れ図と比較すると、
と金か、金かの違いはあれど、85金だけがきれいになくなった状態になっているのです。
作者がこれを意識的に取り入れたことは間違いない。

ここから【同玉】なら
【45香、53玉、23飛成、同金、44銀、64玉、65歩、74玉、86桂まで】



何と、歩が打てて詰むようになっています。巧妙。
よって、43とには【同金】となり、45桂以下収束への道が開ける、ということです。



ここから45桂以下37手もかかりますが、狙いとは関係ないところだと思われるので省略。

4.手順のまとめ


ということで、まとめて作意を並べてみます。



【39角、48銀合、同角、同と、67銀、同桂成、同馬、65玉】



【74銀打、64玉、63銀成、同玉、75桂、64玉】



【66香、65金合、同香、同玉】


【76銀、74玉、86桂、84玉、94金、73玉、83金、62玉、74桂、53玉、43と、同金】



【45桂、42玉、34桂、41玉、31と、同玉、22と、同金、同桂成、同玉、12歩成、31玉】



【33香、41玉、32香成、同玉、23飛成、同玉、13香成、32玉、22と、41玉、32金、52玉、
53歩、同金、同桂成、同玉、63金、43玉、33金、同玉、23成香、43玉、44歩、42玉、32と】
まで69手詰。



収束はかなり冗長な感じがありますが、前半の56馬伏線のために必要となった27飛の配置を
さばき切り、数々の変化紛れを切り分けた3段目までで持ち歩を使って収束。
このくらいが限界だったのでしょうか。


5.なぜ本作は正解者なしだったのか(推測)


本作では不利合駒を気付かせにくくしている原因として、2手目の48歩合の変化があります。
すなわち、下図は48歩合に同角、同とと応じた局面。



ここでは最初、【67銀】以下詰むという話を書いたのですが、実は作意手順に則って
【67歩、同桂成、同馬、65玉、74銀打、64玉、63銀成、同玉、75桂、64玉】



以下、作意に還元してしまう罠があるのです。
また、ここから66香に65歩合とすると、そのまま54馬~36歩が打てて29手で詰めあがってしまう。
つまり、不利合駒に全く気付かずに進めてもそれなりに長さになってしまうのです。
ここが一つ目の罠と思われます。

しかし、2度の不利合駒だけであれば、くぐり抜けた人はいたのではないか。

問題はそのあとの56馬捨て(これはまだ見えやすいか)や、
86桂~95金の回り道にもあったのではないでしょうか。
これらの伏線は不利合駒とは独立で作られているものの、
変化・紛れを読み切るのが相当に大変な部分。
例えば、74玉型で85金以下普通に進めてしまい、43とに同玉を詰むものとして
変化を読み飛ばしてしまったとしたら…
誤解者が出るのも無理はないところです。

現代の目で見ると、一つ一つの伏線や罠については見たことがないわけではありませんが、
これらを同時に見破ることは、並大抵のことではありません。
不利合駒が希少だったと思われる当時、2度にわたる罠を設けた作者の構想の勝利でもある。
レベルの高い、受賞にふさわしい作品と思います。

6.筆者の感想と勝手な妄想

なるほど、難解な作品です。構想に加えて、相当な腕力がないと作れない。

前半の不利合駒2回は同一地点で行われていますが、例えば若島正氏作(2014.1_大学院:参考図参照)や、
相馬慎一氏作(2013.10_81puzzler:参考図およびリンクを参照)と比較したときに、
これはグループ不利合駒ということはできません(2つの合駒は同じ意味付けで、独立に選択されるため)。
仮に、本作初形の持ち駒である銀を合駒で、逆算で出すことができていたら、これは立派な「グループ不利合駒」
第一号局だったはずなのですが…



作者の頭にはあったけれど、逆算が限界だったのでしょうか。
それとも、論理はそこまで気にされなかったのでしょうか。

※ただ、上図で仮に持ち駒が歩2枚だと、67歩には65玉で詰まないようです。
とすると、この構図では銀銀のグループ不利合を出すのは無理なので、
やっぱり作者は構想に気付いていながらもあきらめたんでしょうか…
作者ご本人に聞いてみないと、この辺は不明ですね。

※参考とした2題の図面をあげておきます。若島作は持ち駒歩歩や歩飛で詰むけれど飛飛では詰まない
局面を意識的に作り出した作品(その飛車を連続中合で出したのが作者のこだわり!)、
相馬作は3回にわたる合駒の選択を有機的につなげて、玉方が打歩詰に誘導する作品です。


若島正氏作(詰将棋パラダイス大学院 2014.4)
【参考:ベイと祭りと詰将棋「第281回詰工房例会報告」


相馬慎一氏作(81puzzler特別出題、2013.12)
【参考:81puzzler

今から40年も前、詰将棋界のトレンドがどうだったのかは私にはわかりません。
不利合駒の後のまとめ方を見ると、作者は前半部分に見られる論理性よりも
むしろ「変化・紛れの複雑な局面に伏線を入れ込むこと」を重視していたのではないでしょうか。
作者がこの作品で「正解者なし」を狙っていたとしたら、目論見は見事に成功したわけです。
冒頭に「だれている印象を受けた」と書きましたが、このあたりが現代の詰将棋との
大きな感覚の差ではないかと思われます。

ということで、論理の組み合わせという点で見ると、本作は少し弱いのではないか、というのが
私の感想。同じ素材でも、時代によって仕上げ方も変わってきますよね。

かつて解析した今井光作品(→こちらを参照)も実は、この作品と同時期に発表されたようです。
すさまじい論理でつながっているあちらの作品は無受賞で、この時に塚田賞を受賞したのがこの作品。
現代の目で見ると、論理構造を重視した今井光作品のほうが輝いて見えますが、
こちらの作品も受賞にふさわしい傑作であることは間違いありません。

7.最後に
本稿の執筆に当たっては詰将棋の欠片(→こちら)
をじっくりと読ませていただきました。厚く御礼申し上げます。

ではでは。
[2014/04/30 20:53] | 詰将棋鑑賞 | Trackbacks(0) | Comments(1)
詰将棋懐石メモ~h160seの倉庫~


※あまりにも陳腐な名称なので漢字を少しかえてみました。懐石料理のようにじっくりと詰将棋を味わう意味も込めて。

プロフィール

shogisolving160

Author:shogisolving160
詰将棋の自作置き場、及び人の作品の覚書。人に見せるというよりも、自分の頭を整理する意味が強いので、その辺お許しください。あ、リンクフリーです。

※図面を勝手に掲載された!という作者の方へ
勝手に図面を掲載してしまい、不快な思いをされた場合はお詫び申し上げます。連絡いただいた場合は速やかに記事を削除させていただきますので、どうぞご連絡ください。

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